バイオフィリックデザインとは、人間が本能的に自然とつながりを求めるというバイオフィリア仮説に基づいたデザイン手法である。都市化が進む現代社会では、人間と自然との調和を保つための生活空間を創造するために、ますますバイオフィリックデザインが用いられている。バイオフィリックデザイン手法を室内に適用することで、生産性、創造性、そして幸福感が向上することが証明されている。
「Alive」は、すべての生命の源である水からインスピレーションを得た、バイオフィリックデザイン原則に基づくダイナミックなオブジェクトである。公共のインテリアやオフィス、さまざまな公共スペースに設置することを想定してデザインされている。自然界で認識されるリズムや動きが、人間に強い印象を与え、ポジティブな影響を与えるという研究結果に基づいている。このオブジェクトは、環境の活力を提供し、私たちの家である自然を大切にすることを思い出させる。
このオブジェクトの製作にあたっては、2つの主要な課題があった。まず、オブジェクト内部の粒子を動かすためのシンプルで低コストなメカニズムをどのように作るか、そして全体を覆う部分をどのように設計するかである。基礎構造はMDFと小型の強力なモーターで構成されており、カバー部分は特別に設計された2000個のプレキシガラスのディテールが付けられたネオプレンを使用している。
このオブジェクトは、小型で静音のモーターを使用したシンプルなメカニズムに基づいている。時計回りに円を描くように動き、安心感を与える効果を生み出す。
このプロジェクトは2019年2月に開始され、同年6月にリトアニアのヴィリニュス美術アカデミーで完成した。その後、ヴィリニュスのTitanikasギャラリーで2018年6月から7月にかけて展示された。
「Alive」は、2020年にA' Fine Arts and Art Installation Design Awardでゴールデン賞を受賞している。この賞は、デザイナーの才能と知恵を反映した驚くべき、優れた、トレンドセッティングな作品に授与される。これらの作品は、芸術、科学、デザイン、技術を推進し、その優れた卓越性と顕著な特性で世界に大きな影響を与える。
プロジェクトデザイナー: Marcele Kuliesiute
画像クレジット: Video Credits: Lukas Keizikas
プロジェクトチームのメンバー: Marcele Kuliesiute
プロジェクト名: Alive
プロジェクトのクライアント: Marcele Kuliesiute